アニメ、風が強く吹いている22話『寂しさを抱きしめろ』のあらすじ・感想です。
あと箱根駅伝ならではの細かいところの解説・考察になります!(ネタバレ注意)
8区を走り始めたキングさんは無事にブレーキせずに走り切れるのか!?そして、9区エース蔵原走選手は、ここで更に強くなるのか…
Contents
『寂しさを抱きしめろ』のあらすじ・感想
区間エントリーが決まってからのある日の練習の事だ
キング:お前、してんの?就職活動
ハイジ:していたように見えるか?
キング:どうするの?やっぱ実業団?
まさか 留年して…“キングの脳内ハイジ:なら俺もするよ、来年も一緒に箱根走ろうぜ”
ハイジ:留年する気はないが、先のことも考えていない
箱根駅伝に出る ずっとそのことだけを考えてきたからなキング:そりゃそうだ これでちゃっかり就職先なら決まってる
なんていったら、キレんぞ俺ハイジ:8区はきつい区間だ 抜かれることはあっても絶対に気にするな
キング:抜かれてたまるかよ
ハイジ:ポイントは遊行寺の坂 そこまでできるだけスタミナを温存すること
キング:じゃあ、問題です。遊行寺の正式名称は?
ハイジ:キング手伝うよ 就活
キング:はあ?どうやって そんなのどうやっても無理だろ 言ってみろ
ここでようやく監督の叫び声が耳に入るキング。リラックスする運動の指示と
「大手町で会ったら、遊行寺の来歴を教えてほしい」
この指示に、自分自身を完全に把握されていることにキングは苦笑する
そして、自分のこと、ハイジたちへの思いが独り語りとして始まる。
明るく愉快な大学生活 ただ何となくドラマで見たような
そんな何かを期待して、あそこを選んだだけだったでも現実は違った 何にもねぇ大学生活だったなぁ
何にもねぇまま、卒業だけはしちまいそうだ当てが外れたとしたら、それは俺自身にだ
俺が俺の当てを外した小心者でプライドだけは高くて
でも気遣ってはほしくて、そんな自分が嫌で
表と裏で気持ちがずれまくって…
初めてアオタケに来た時、にこやかにお茶を出すハイジを思い出すキング
こいつなら…ハイジなら俺を受け入れてくれるかもしれない
そう思うのは…怖かった
だって、俺のことを一番の友人とは思ってねぇだろ
駄目だんだ どこにいても 誰といても
どうも俺だけ浮いている気がしている愛想よくふるまっちゃいるけど、
誰にも心を開いた気はしない
弱みは出来るだけ見せない
俺はキングだ 近寄るな
それじゃ誰も踏み込んでこねぇよなでも、寂しいなんて認めたらおしまいだ
今更こんな自分を変えようがねぇし
このあたりで10㎞通過、東体大との差は30秒差に広がったものの、
ペースを立て直した!との激
なのに、走っている時だけは違う
うちは一人でも欠けたら成立しないだから、求められていることが実感できるし、
遠慮もプライドも捨てて支え合えるそれでいて、走るのはずっと一人だ
色んなものから解き放たれて、自分とじっくり向き合える
走っている時だけは、俺は俺を演じる必要がないんだそうだ 俺は誰でもない 誰でもない俺こそが
本当の俺なんだ
15㎞勝負所監督がまたハイジからの伝言を伝える
「回答ボタンの用意はいいか」
ハイジ、箱根はなぁ、ハイジよ
もう、お前独りの夢じゃないんだ 俺たちの夢なんだ
いい夢だよ 二度と醒めたくないくらいに
力強い走りで遊行寺坂を登っていく
いやー、キングさんの独断演でしたねぇ。過去、やや鬱屈しているような感じがするのは気にかかっていましたが、あまり大きくクローズアップされることはありませんでした。
それが8区の走りを通して、彼の歩んできた人生。そして箱根駅伝を通じて、自分の居場所を見つけて、ついに望んできた大学生活を営めたことが分かりました。
また、びっくりしたのが…キングが思ったより、ハイジさんに依存していたこと。なんだか自分のことをわかってくれそうな、彼についていけば面白い新星になるのではと…。
そう思わさせるのはハイジさんの人間掌握術とかもよるのでしょうか??ハイジさんがいて、つまらないと思っていた大学生活も続けてられたのかなと思います。
一番人間味あふれてて、一気にキングさんの株が沸騰しそうですね。”藤沢山無量光院清浄光寺”の坂の走り、心強かったです。
カケルは走り出す直前、ハイジに電話していた
近年、大学陸上長距離界において、藤岡以上のランナーは見当たらない
あいつと勝負することで君はもっと強くなる今はまだ勝てないってことですか?
1年間走ってきた だから断言する
君は俺にとって 最高のランナーだ
強くなれ カケル見ていてください ハイジさんの信じたものを
東体大の榊は終盤ペースを落としたものの、順位を上げシード権と僅差の12位で襷リレー。区間5位の力走だった
走り終わった直後、榊はカケルの姿を見て、本当に本番中に出くわすとは…とびっくりした表情を見せる
榊「でも認めない 寛政大に未来なんてない」
カケルは…さらっと受け流した。そして、
カケル「襷を届けたいだけだ 待ってるんだよ みんなが」
榊「!?」
そして襷リレー
ふいにジョージに話しかけるカケル
カケル「ジョージ、好きになるってどんな気持ちだ?」
ジョージ「はぁ?」
カケル「いいよな、それ 好きだよ、俺も」
ジョージ「え、誰を?」
ここでキングが必死の形相で駆け込んでくる
キング「頼んだ」
ジョージ「ねぇ、誰を!? 誰をだよおおおおおおおおおおおおおおお」
いろんな場面が交錯しましたねー。ハイジはカケルを”最高のランナー”と称し”強くなれ”とうまく、気分を盛り立てていました。
榊くんは、寛政大のメンバーと並走する場面があったことを心底驚き、更にカケルの心変わりにも、かなり動揺していて、見ていてちょっと面白かった!
キングさんは最後は顔を思い切りひしゃげて襷リレー。力を出し切り、何もごまかすことなく、強力な後輩のカケルに襷を託します。
そして…ジョージはなんか、今回の箱根駅伝ずっとやきもきさせられていますね(^^; ハナちゃんのことを言われて力出し切れないわ、キングさんの付き添いもおざなりになるわw ちょっと可哀そうになってきましたw
トップ房総大を追う六道大藤岡、他上位、シード権争い上のチームの争い、カケルはその後ろだった
雪が降り始める。自分の呼吸する息と足音しか聞こえなくなる。視界もモノクロだ。
何も感じない 遅いのかな?
カケルは周囲を見渡す 沿道にはたくさんの人だかりだ
すごい数だ ありがとうございます。
そして道路を見ようとすると気付いた。バイクのカメラマンがついていた。
撮られてるのかな?ということはいいペースなのか?
そして、鮮やかになる景色!!
カケルは誰よりも早く突っ込んでいた。これまで以上の美しいフォームで。
王子は「努力が空しく感じる」
ハイジは監督への指示に「何もありません
走ることで、違う次元にまで辿り着こうとしてる
邪魔はできない 誰もカケルに触れてはいけません」
ムサは「権太坂走ったから分かります。このペースで最後まで持つ人間はいません」という不安を口に。
神童は冷静に「いかせてるんだと思うよ ハイジさん」
榊もテレビにくぎ付けだった
カケルは周囲を見る余裕があった
好きだな こういう景色 箱根って感じ
風があるし積もらないのか
(歩道橋を見て)そうか上っちゃいけないんだな今日は
軽いな もっとペースを上げないと
瞬く間に、あけぼの大・甲府学院大・東京体育大を交わしていく
これで多分位置は10番
残りはだいたい13㎞ 10区が23㎞だから
・・・合わせても36㎞か短すぎる このまま走り続けたら 絶対に抜いてやるのに
走り続ける…ずっと一人で…
そう思った瞬間、寛政大9人の走る姿が脳内に映し出される
さらに藤岡の「お前は俺に何を見せてくれる?」と出走前に問うシーンも…
カケルは一皮剥けた
このあたりの表現は小説が凄いのですよね。極度に集中しているカケルの心象を、どのように描くかは私も大いに注目していたのです。
モノクロの風景から、鮮やかにカケルの走りを映し出す演出はとても見入りました。そこだけでも何度も再生する価値があるくらいでした。
そしてやっぱり早い!榊がキングにつけた差を、ものの10㎞もいかないうちに埋めました!勿論、見た目のことなので、もっと差を付けなければなりません。
様々な風景が積み重なり、なんか”トランス状態”みたいな感じに入っていきましたね。カケルの激走が止まりません!
トップは14.5㎞地点、六道大藤岡が、58秒あった房総大との差を埋めて、トップへ!
王子:カケルもどうかしてるけど、こっちもどうかしてる
ハイジ:六道だからできたことだ 全員が着実に襷を繋ぎ
藤岡に逆転のシナリオを託した王子:一人でできる仕事じゃないか
ハイジ:だが、藤岡の肩に乗ったもののことを思うと震えてくる
どれだけの重圧の中にいたか
そして、あっという間に相手を引き離す
解説者は「狙ってますねぇ区間記録」と唸る
ハイジ:あいつがチームを勝たせるだけで満足するものか
勝ってなお勝とうとする男
全てにおいて、まぎれもなく現時点での王者だ
王子:現時点で 聞き洩らしませんよ
カケルの前方には西京大と喜久井大の姿が!さらに集中力を高めていく
追いつける 追い越す もうその先にいるんだ 本当の俺は
2校の前に自分の走っている姿をイメージする
そして、一気に2校を抜き去っていく!
見た目の順番はいい 問題はタイムの方だ
ここでまたカケルの視界が揺らぐ
また、視界が広い 焦点が合わない
また遅くなった気がする…脚はどうだ 体は 心臓は 肺は
まだいける もっといけるもっと走れる 加速する お前には負けない
カケル、”ゾーン”へ・・・・
六道大の藤岡はさすがですね。前年はエース区間の2区で区間賞を獲得したのですから、この9区では力が抜けています。69分13秒の区間記録は当然塗り替えることができるはずです。
そしてカケルも…後ろとのタイム差を気にかけていますが…藤岡が区間記録を出した情報が入れば、一気に燃えるはず!
それにしても、制作陣が本当に挑戦的なのがいいですね。自分自身との勝負しているカケル、更に”ゾーン”に入っていくところを視覚的にわかりやすく再現しようとしているのは、ナイスな挑戦です。
少なくともカケルが異次元へ、そして気持ちよく走っていることは伝わります。ラストの走りも楽しみです。
ハイジさん…ですよね。
綺麗なBGMとともに映像が流れました。
信じたものの先…何が待ち受けていたのでしょうか!?
ってか…もう最終回なのですか!?原作の話のふくらみくらいからすると、もう2話くらい必要な感じもしますが…!?
カケル9区の終盤、10区ハイジさんの激走(おそらく高校時代終盤からアオタケに入ってからの過去も、更に深く明かされることでしょう。寛政大に来て、たくさん後悔していたことも…)
そして箱根駅伝が終わって、その先の寛政大陸上部のエピローグ…
24分で収まりますかね!?俺はやっぱり2話いる気がしているのですが…、製作陣の腕に注目しましょう!
根っからの箱根駅伝ファンなので、
どうしてもアニメでは描き切れないルール的なところや
実際の状況・実態を
Q&A方式で解説していけたらと思います。
A.藤沢山無量光院清浄光寺
遊行寺は時宗の総本山だ。正式名称は、藤沢(とうたく)山無量光院清浄光寺という。鎌倉時代に呑海上人(どんかいしょうにん)が遊行寺坂を建てて以来、藤沢は門前駅として栄えた。
原作小説574ページより
原作のキングさんの言葉を借りて解説させてもらいました。
それにしても、こういうところで、キングさんの心を掌握しているハイジさんもすごいなと思っています。
A.榊は多分、79回(2003年)大会8区中央学院大と同じ感じ?
東京体育大の復路スタートが、79回大会の中央学院大と同じ位置だったので、もしかするとと思い調べると、
その時の中央学院大の8区の選手の区間順位が5位。途中で区間3位で、最後にやや苦しくなるところも含めて、榊と全く同じでした。原作の榊のタイムの66分38秒も全く同じ。
キングは原作では榊からちょうど1分遅れての襷リレー。67分42秒で区間10位でしたが、79回大会の区間10位にも相当します。
なお、このあとの79回大会では中央学院大は総合10位でシード権獲得します。東京体育大が元になり、更にこれに寛政大がシード権争いに加わるとなると…どうなるか楽しみですね!?
A.危ないので歩道橋は通行禁止になっています
横浜駅~東京に戻っていくコース。特に多くの観客が応援に来る場所でもあります。そのため、歩道橋で混雑が起き、もし万が一落下事故があった場合、大変危険なので、歩道橋上での観戦は現在禁止になているのですよね。
こういうところを見る余裕があるのは、注意散漫となっていることも考えられますが、カケルは今回極度に集中していて、色々見渡す余裕がありますね。
A.タイム差表記はないですからね 東京体育大を1分53秒、見た目で突き離すことを覚えてれば大丈夫
詳しいタイム差が出ていませんが、一斉スタートのタイム差を加算しなければなりません。
6区スタートで一斉スタートの影響で、1分53秒分見た目より前となっています。なので、一斉スタート以外の大学(東体大とか)よりも1分53秒前に出なければ、実際の総合順位は上がりません。
とにかく最後は東京体育大との勝負になるはずです。