ウマ娘新アニメーション、
ROAD TO THE TOP 第1話「夢のはじまり」が、公開されましたね。
こちらは、予告になりますね。
本編が公開され、そのハイクオリティ差に、とても感動した競馬ファン・ウマ娘ファンは多かったのではないでしょうか。
また、史実の競馬から、多くの元ネタ・小ネタが細やかに取り入れられています。
今回主役のナリタトップロード・アドマイヤベガ・テイエムオペラオーのことや、他に出てきたウマ娘についての関連性など、いくつかまとめていきます。
Contents
ナンバーウェブさんもまとめていますが、このあたりを参考にしながら、まとめていきます。
98年
12月5日阪神 3歳新馬芝2000m稍重 2着 渡辺騎手
12月27日阪神 3歳新馬芝2000m良 1着 渡辺騎手
99年
1月10日京都 福寿草特別芝2000m良 3着 渡辺騎手
2月7日京都 きさらぎ賞GⅢ芝1800m良 1着 渡辺騎手
3月7日中山 報知弥生賞GⅡ芝2000m稍重 1着 渡辺騎手
4月18日中山 皐月賞芝2000m良(雨)
ナリタトップロードは、今作の主人公ですね。とても笑顔が素敵なキャラクターになっています。このキャラクターは、主人公ということもありますが、実際の競走馬ナリタトップロードが、とても人気が高かったことがあげられますね。
おそらくアニメ内でやらないので、ネタバレしますが、その年のGⅠは勝利していなくても、年末の有馬記念で人気投票トップになるなど、大変な人気になったからです。善戦する試合も多いものの、少し不器用な点もあるのが、逆に人気になったのでしょう。
このころの、ナリタトップロードは、きさらぎ賞、そしてアニメ冒頭の弥生賞と重傷を連勝し、一気に注目が集まり始めたころ。基本的に先行で、瞬発力こそないものの、ロングスパートが得意でした。
沖田トレーナーと約束したクラシック三冠制覇へ、名乗りを上げています。騎手のことや、父親の話など、色々ありますが、後述します。
98年
11月7日京都 3歳新馬芝1600m良 4着(降着) 武騎手
12月5日阪神 エリカ賞芝2000m稍重 1着 武騎手
12月26日阪神 ラジオたんぱ杯GⅢ芝2000m稍重 1着 武騎手
99年
3月7日中山 報知杯弥生賞GⅡ芝2000m稍重 2着 武騎手
4月18日中山 皐月賞芝2000m良(雨)
実際は、超が付くほどの良血馬のアドマイヤベガ。日本の血統を大きく塗り替えた父サンデーサイレンスに、牝馬クラシック2冠を達成している母ベガの子供。しかも、鞍上はスーパースター武豊さんが勤めるということで、デビュー時から非常に注目されていました。
98年年末ラジオたんぱ杯で重賞初勝利、先の弥生賞ではナリタトップロードにわずかな差で2着となりますが、後方で囲まれながらも2位に押し上げてくるという、内容はとても良いものでした。
そんなアドマイヤベガ、主人公のナリタトップロードと反対に、やや影を落としたキャラクターとなっています。競走馬アドマイヤベガは、双子だったのですが、双子は競走馬として大成しないと言われているため、かなり早い段階で片方を堕胎しています。
ウマ娘でのアドマイヤベガも、早くに妹を亡くしているという設定になっています。その妹の分も、頑張らないといけないと自分を追い込んでいます。
98年
8月15日京都3歳新馬芝1600m良馬場 2着 和田騎手
99年
1月16日京都4歳未勝利ダ1400m良 4着 和田騎手
2月6日京都4歳未勝利ダ1800m良 1着 和田騎手
2月27日阪神ゆきやなぎ賞芝2000m稍重 1着 和田騎手
3月28日阪神毎日杯GⅢ芝2000m良 1着 和田騎手
4月18日中山 皐月賞芝2000m良(雨)
テイエムオペラオーは、後に”世紀末覇王”と言われるほど、勝ちまくる名馬なのですが、クラシック戦線に名乗りを上げるまでは、一苦労していました。
デビューは一番早かったのですが、そのデビュー戦で骨折。約半年間も離脱していました。クラシックには間に合わないかも…だったのですが、2月6日のダート戦で初勝利を挙げると、3月28日毎日杯までに3連勝。
ギリギリでクラシック路線に間に合わせてきた状況でした。アニメでは、”オペラ”らしく、宝塚風のセリフを言うシーンもありましたが、クラシックまで時間がない焦燥感で、心身ともに消耗していく姿が描かれていますね。
さて、本作主人公のナリタトップロードを、もう少し掘り下げていきます。
朝練のシーンで、コーナーを練習するナリタトップロードのシーンがありましたね。でしたが、外に膨れ上がってしまいます。
競走馬のナリタトップロードは、非常に独特のフォームをしていました。とても歩幅の広い、飛ぶように走る、いわゆるストライド走法をしていました。
そのため、良馬場で、大回りで最後の直線が長いコースだと、かなり善戦します。その代わり、重馬場で、小回りで直線が短いコース(皐月賞や有馬記念が舞台の中山競馬場など)は、伸び悩むと、結構ハッキリとしていました。このあたりがネタになっています。
ナリタトップロードは、クラスの学級委員長を務めています。
これは、主戦騎手だった渡辺薫彦騎手が、栗東トレセン独身寮の寮長だったことが元ネタのようです。
ウマ娘は、モチーフになっている競走馬だけでなく、騎手だったり、他に調教師や厩務員からのネタも豊富に散りばめられています。そういう小ネタも探しながら見ていると、とても面白いです。
右奥の、眼鏡をかけた男性が、アニメ内でのナリタトップロードの父親になります。
ここで「俺に似て不器用なんだよなぁ、性格は真逆だけどな」とおいうセリフを言っています。
実馬のナリタトップロードの父親は、サッカーボーイと言います。中長距離の血統で、クラシックレースにも出走します。ですが、気性が非常に荒い性格が災いして、長めの距離は勝ち切れませんでした。
一方で、阪神3歳S・マイルCSと1600mのマイルでGⅠ2勝、短めの距離で勝っていた。そんな競走馬でした。
サッカーボーイ産駒ということで、気性面で心配された実馬ナリタトップロードは、そうとは思えないほど大人しい気性。性格は真逆でした。
とはいえ、明確な弱点があり勝ち切れない…そのあたり不器用さはあったということですね。
他にもあると思いますが、2話以降またまとめていきます。
ナリタトップロードが投稿して、あいさつした際に、
意味深な3人とあいさつしていますね。
左から、セイスンスカイ・スペシャルウィーク・キングヘイロー
トプロたちの前年の98年、クラシックが始まる際に”3強”と言われた面々です。
成績では、皐月賞セイウンスカイ、日本ダービーがスペシャルウィーク、菊花賞がセイウンスカイ。キングヘイローはここではGⅠ獲得ならずでした。
そのあたり、時代の流れもあったので入れてきたのでしょうね。
テイエムオペラオーは、メイショウドトウと一緒に練習していましたよね。
メイショウドトウも、テイエムオペラオーと同期。外国産馬だったので、クラシックは出れないのですが、どのみちこの時期はまだ勝ち上がっていない状況でした。
この2人が本当に強くなるのでは、古馬になってから、この物語でいうと翌年です。テイエムオペラオーは、00年天皇賞春・宝塚記念・天皇賞秋・ジャパンカップ・有馬記念、01年天皇賞春制覇とすさまじい戦績。世紀末覇王の異名をとりました。
メイショウドトウは、00年宝塚記念で初GⅠながら、テイエムオペラオーに次ぐ2着、その後、天皇賞秋・ジャパンカップ・有馬記念、01年天皇賞春まで、テイエムオペラオーの2着と、ずっとこの2人が古馬中長距離路線でワンツーが続くのですよね。
それだけこの2人のペアとしての認識も高いので、この2人が一緒に練習していることになります。
ウマ娘寮内の様子で、アドマイヤベガとカレンチャンのシーンが映ります。
カレンチャンは、2011年~2012年の頃に活躍したスプリンターの牝馬になります。一見、関りが低そうな組み合わせが、なぜウマ娘内で同室になっているのか。
まずは、血統面が似ていること。アドマイヤベガもカレンチャンの母父がトニービンということがあげられます。
実は、元馬の両馬とも、早くに兄弟を亡くしています。アドマイヤベガは双子だったため、片方を早期に堕胎(双子は競走馬で大成しないというのが鉄則)。ウマ娘内でのアドマイヤベガも、そのことを気にしており、妹のためにと、少し重いキャラクターとなっています。カレンチャンは、クラシック期に2つ上の半兄を亡くしています。
カレンチャンは、ゲーム内で妹キャラになっていますが、その妹キャラのカレンチャンを、早くに亡くした妹の面倒見てるつもりになっているアドマイヤベガの構図になっています。またカレンチャンは、根を詰めているアドマイヤベガをいつも心配している…そういう関係ですね。多分、2話でさらにクローズアップされるでしょう。
テイエムオペラオーと、オグリキャップが絡むシーンも多かったですね。
皐月賞も見に来ています。
どちらも中長距離路線を沸かせたホースですが、時期が違います。なぜ、この2人が共通点となるのか。
①ともに毎日杯を制覇
オグリキャップは、中央に移籍してから2戦目。連続して重賞勝利となっています。オペラオーも戦術通り勝利して、クラシックに間に合わせました。
②クラシック追加登録制度の関係
競馬ファンはこれがすぐに思いつくでしょう。オグリキャップが、クラシック登録をしていなかったため、毎日杯勝利して、出走権を得たにも関わらず、クラシック路線を狙えなかったこと。
このオグリキャップのような競走馬が出た時のために、クラシック追加登録制度ができました。
正規登録は、三冠各レースの2週間前に行われ40万円の支払いですむ。それ以降でも、200万円支払えば登録できるようになったのです。
そして、この追加登録で、クラシック路線を優勝した最初の競走馬が、この99年皐月賞テイエムオペラオーとなるのです。この結びつきがあります。
③オグリキャップの元調教師が後押しした
そしてもう一つ、オグリキャップの元調教師である瀬戸口氏が、テイエムオペラオーの皐月賞出走を後押ししているのです。
生産牧場に電話をかけ「毎日杯をあんな強い勝ち方をする馬はいない、皐月賞から使うべきだ」と後押ししています。
このことから、テイエムオペラオーとオグリキャップに強い絡みがあったのですね。
99年クラシックの三強と言われている、ナリタトップロード・アドマイヤベガ・テイエムオペラオーですが、
それは皐月賞以後のお話
弥生賞上位だったナリタトップロードとアドマイヤベガの2強状態。テイエムオペラオーは、毎日杯からのハードなローテだったこともあり、5番人気にとどまっています。
この観客の絵で、それを示していますね。
解説陣が、アニメ1期2期とガラリと変わってるなぁと思ってたら…
解説(CV.山本昌広)
これにびっくりされた方も多いのではないでしょうか。私もびっくりした一人です(笑)
野球ファンは、中日ドラゴンズのレジェンド投手ということは知っている方多いと思います。その傍ら、一口馬主としても有名で、21年ダービー馬シャフリヤールにも出資しています。
さらに、様々な競馬番組に出演して、予想も的中されたり…。プロ野球選手ということ以外にも、多く活動されている方ですね。
このクラシック世代の99年は、投手として現役バリバリの頃ですが、当時から競馬ゲームに熱中していて、世代的にはドンピシャだとのこと。2話以降の活躍にも注目ですね!
迎えた皐月賞、雨の降りしきる中行われました。最後の直線入り口で、進路を見つけて先頭に襲い掛かるナリタトップロード。一緒に追い上げたアドマイヤベガは息切れ(これは2話で明かされるかな?直前でまったく調子が上がらず、実際は皐月賞回避も考えたほど)。
先頭に並びかけたところ、大外からものすごい勢いで上がってきたのがテイエムオペラオー。
1着テイエムオペラオー
2着オースミブライト
3着ナリタトップロード
・
6着アドマイヤベガ
結果は、ものすごい末脚を使ったテイエムオペラオーの勝利。ものすごい形相で食い下がったナリタトップロードは、切れ味勝負では及ばず3着。
最初、ニヤリとした表情で大外追い上げたオペラオーは、急に余力のない表情になります。末脚のスピードに、身体がついていかなくなっているさまを表現しています。
実際に、テイエムオペラオー鞍上の和田騎手は、勝ったにも関わらず、調教師に「そんな脚を使ったら馬が壊れてしまう!」とかなり怒られたそうです。
そのため、オペラオーが、追込一気に競馬を仕掛けるのは、これが最初で最後となります。その後、オペラオーが追込以外の戦法で勝つのは、やや苦労することになりますが…それは2話以降で描かれると思います。
2話ももうすぐ配信!楽しみですね。
リンク集
ウマ娘【競走馬元ネタ解説シリーズ】
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