【アニメ感想】風が強く吹いている 第7話「頂きに牙を剥け」/箱根駅伝ファンが解説

参照サイト:https://twitter.com/kazetsuyo_anime

原作:三浦しをん『風が強く吹いている』
2006年9月22日新潮社より刊行
2009年10月31日に実写映画化
されている、箱根駅伝を題材とした青春スポーツ作品

他、三浦しをんさんの作品
2006年3月『まほろ駅前多田便利軒』※直木賞受賞
2011年9月『舟を編む』※本屋大賞受賞、2016年アニメ化

原作は『小説』です。しかも実力がある方が描いた内容です。
普段アニメを見ない人でも安心して見れる作品です。

アニメ:風が強く吹いている

アニメ公式サイト:http://kazetsuyo-anime.com/
アニメ公式Twitter:https://twitter.com/kazetsuyo_anime

2018年10月2日深夜・日テレで放送開始!

【スタッフ】
監督:野村和也
シリーズ構成・脚本:喜安浩平
キャラクターデザイン:千葉崇洋
アニメーション制作:Production I.G
企画協力:新潮社

【キャスト】
蔵原走:大塚剛央
清瀬灰二:豊永利行 ほか

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風が強く吹いている/第7話『頂きに牙を剥け』

第7話あらすじ

ネタバレになりますので、灰色で囲います。

記録会前夜
明かりもつけず、なにやら考え込んでいるカケルの姿
陸上ノートがそばに転がっていた

記録会当日早朝
ハイジ以外の9人が整列して何かを待っている
ユキ「遅くねーか?」と言い始めたころ、
不吉な音がしだす、そして門から暴走気味の車が入り込んできた
9人の直前で急停止!全員が腰を抜かす中、運転席からハイジが出てきた
ハイジ「待たせたな」ユキ「殺す気か!?」
ハイジ「車線変更の方が大会よりドキドキしたな」
不穏な感想を漏らすと
ハイジ「どうした乗れよ」ユキ「他に誰か運転できるものいないのか!」

現地、東京体育大学へ
あまりの暴走運転に体力を消耗した面々
王子はリアルに吐いてしまっている…
ハイジ「思ったより時間かかったなぁ」
適当に独り言をつぶやくと
ハイジ「各自準備運動しておけ」と言う
神童らは王子の対処に追われている?
「誰かビニール袋は」「藪に突っ込んどけ」

「相変わらず賑やかだな ジョギング同好会は」
榊が現れた。
榊「ほらあいつ、高校時代のチームメイト」「ああ、あれが」
大会の準備中だろう、一緒に荷物運びをしている
同級生にわざとらしく紹介をする

榊「(王子を見て)早くも一人脱落か ま、走るよりマシか
どうせ恥かくだけだし」
この言葉に反応したカケルが睨み、そして歩み寄ってくる
榊「なんだよ、文句でもあるのか それとも」
不穏な空気となった最中、ハイジが割って入る「悪いが」

「清瀬」更に横から声がかかった
「清瀬!」「藤岡!」
「六道大の藤岡だ!」
どうやら超名門校の超有名選手らしい。榊ら一歩引く

ハイジ「久しぶり」藤岡「まさかあえるとは…いいのかもう」ハイジ「やっとだ」
藤岡は感慨深く、ハイジに話しかけると、横に榊らに向き直った
藤岡「榊らに、すまない 話に割って入って」榊ら「…」
藤岡「5000mだろ 楽しみだ」
そういうと、競技場の中に入っていく
六道大全員「したー!!」 ユキ「何者なんだ…」
圧倒されている寛政大の部員に
ハイジ「藤岡カズマ 覚えておくといい」と告げる
そして榊らに向き直ると
ハイジ「悪いが準備がある 君たちも急がしだろ雑用で」
うまいこと煽って、横を通っていく。なお双子はあっかんべーとしてる
東体大・先輩「何ぼーっとしてんだよ、動く動く!」
榊のいらっとしている顔がアップになる

東体大競技場
綺麗な青色のトラック、更に多くの陸上部員がウォーミングアップしている光景だ。
「陸上部見たい」「陸上部だ」
ハイジ「ウォーミングアップしよう」
ここで寛政大のユニフォーム初お披露目となった
黒地に白色のKだった
神童「寒い 結構露出するものですね」
ニコチャン「(ユニフォームが小さいとちゃかされ)俺がでけーんだよ」
それぞれの面持ちだ。

そこに留学生が通りかかり、ムサがおののくシーンが
ユキ「お前だって負けてねーよ」
ムサ「あの人たちは走ることにかけて日本に来てる
ハングリーが違う 僕に勝てるわけない」
ユキ「ムサが変なモードに入ったぞー」
賑やかな面々
王子はここにきてもマンガ読んでいる
カケル「よく漫画なんて読めるね」
王子「高めるためにね 僕の描くストーリーは完璧だ…脳内だけはね」

神童「やっぱりそうだ、さっきの人、昨年の2区で区間賞取った人です」
神童がスマホで早くも先の藤岡選手
神童「箱根の王者、六道大のカズマ選手!箱根駅伝3連覇の立役者で、
大学陸上界の頂点ですって!」
キング「それとハイジが知り合いってこと!?」神童「沿道の人の数が半端ない」
神童「どの区間走りたいですか?」キング「わかんねーよ、そんなの」
このあたりからカケルの眉間にしわが寄り始める
双子「先輩も写真撮りましょうよ!」ニコチャン「ぱっとやって、ぱっと終わらせよう」
カケル「あの!…」
カケルが声をあげるが、その先が言葉にならない
ハイジ「ゼッケンだぞ、これをつけたらトラックへいこう…どうした?」
カケル「いえ」

トラックでアップ中のこと
カケルが前を走る選手とぶつかってしまった「すみません」
気づいたらそれは藤岡だった
“大学陸上界の頂点ですって”
しばらく横目で見てしまい、藤岡「ん?」
カケル「いえ」慌てて答えると、一気に追い抜いて行った…

アナウンス:5000mに出場する皆さんは1番ゲートの前に集合してください…

ハイジ「記録は必要だ、だがまずはレースというものを感じてくれ」
キング「ねーは、そんな余裕」
ハイジ「デビュー戦だ、全員楽しんで帰ってこよう
ああ、そうだ 箱根の山は… てんかのけーん! いこう」
ハイジは一人拳を突き上げてスタート地点へ向かう
ユキ「汲み取ってやれよ誰か」

カケル「甘いんじゃないですか、楽しめなんて
悪いけど、今日は俺の方が見させてもらいます。
みんながどこまで走れるのか」
カケルはハイジにそう告げた

全員スタート地点へ
”オンユアマーク”

位置取りにみんな苦戦、ぶつけられてしまっている
全員なんとなく周りに合わせてしまっている印象だ。
「やっぱ飛び出したかぁ 房総大のマナス」
「ペース狂うやつ出てくるぞ」「縦に伸びてきた」

マナスを睨むカケル ”現実はそんなに優しくない”
ハイジを一瞬見て、外側に出る、そして、追いかけ始める
「どこ大だ?」「あんま見ないユニフォームだな」「寛政大だな」

なお、王子は早くも周回遅れに…
「おいおい2週目で周回遅れだぞ」
「あれが寛政大か」「とんでもねぇの揃えてるな」

寛政大メンバー、全員それぞれ苦しそう
そんな中、カケルは一気に先頭集団に襲い掛かる
1位マナス、2位藤岡だが…
「おいおい追いついたよ、あいつ」「すげー」
藤岡をあっという間に交わし、マナスにカケルが並びかける
「おいおい勝負する気か?」「まだ残り2週あるぞ」
「玉砕する気か!?」

ニコチャン「次元が違うな(苦笑」
背中が丸くなってきたニコチャンが呟く
寛政大部員全員息が上がってきた

王子の元には、ペットボトルを届けようとする東体大の部員が…
「大丈夫ですか?棄権しますか?脱水症状ですよね」
王子「いつも通りですけど?」「え?」
王子「モルモットじゃあるまいし、なんで同じところぐるぐる…」

トップは残り1周と少し
カケルはマナスらをちらちら見ながら
「こんなもんか、いける」と思っていた。
その瞬間、マナススパート! 「ここからまだ!?」
「回転をあげよう、あげろ!」
自分に暗示をかけようとした瞬間、今度は藤岡が抜いていった
「藤岡だあああああああ」観客が盛り上がる

「先頭5mいけますいけます!」「ラストラスト!!」

ラスト1周
マナスと藤岡の一騎打ち カケルが懸命に追いかけるが差が縮まらない
なおニコチャン、キング、ユキ、神童、そしてムサと双子もあっという間に
周回遅れにされていく

勝負はラスト!バックストレートでマナスが出る、藤岡も抜き返す
マナスが「うおおおお」と声を上げる、最後の直線
トップは藤岡だった。すぐにマナス、少し間があいて3位カケルがゴールした
藤岡はカケルをちらり、そしてハイジもチラリと確認した
続々とランナーゴールする中、大粒の汗を滴るカケルは一歩も動けなかった

少しの後、マスコミが藤岡を囲んでいた
マスコミ「仕上がり早すぎるんじゃないの? 少しは手加減しないと」
藤岡「これからですよ」マスコミ「次は?」
藤岡「インカレに絞って、この先の記録会は回避します」
カケル「!?」
マスコミ「余裕だな 楽しみにしているよ」
カケルは悔しそうな顔で後ろを横切っていった
カケル悔しそう?

カケルが頭から水をかぶっている時だった
藤岡「蔵原カケル」
いつの間にか藤岡が横にいた
藤岡「名前に覚えがあった、仙台の高校に早いやつがいる 君だったか」
そして清瀬の方へ目をやる。
既に寛政大7名がゴール、残る選手に励ましの言葉をかけていた
「清瀬らしい面白いチームだ」藤岡はつぶやくと
藤岡「少し気を付けてやれ あいつがベストの状態なら清瀬はあんなもんじゃない
一緒にチームを導いてやれ」カケル「一緒に?」
藤岡「目指すんだろ、箱根を」カケル「う・・・」
藤岡「ん?・・・あ」
何かを察した藤岡は、優しいまなざしを向けて、その場を去って言った

ハイジ「みんなお疲れ、よくやったぞ!」
メンバーは誰も反応できないくらい疲れ切っていた

ハイジ「ムサジョージジョータ17分前半 神童とユキも18分台だ
レースになれれば時期に16分台も出る
ニコチャンもキングも十分狙える位置にいた
何も悲観することは無いぞ」

ユキ「ならこいつはどうなんだ、30分台のやつなんて一人もいないわ」
あと少しで強制終了されるところだったんだぞ」
ユキが双子に抱えられている王子を横目で見ながら言った
ジョージ「というか2人以外公認記録出せなかった」
ジョータ「歯が立たないっていうか」
王子「言われましたよ、どんくせぇって
どこにあるんだスポーツマンシップは」
ニコチャン「ま、これが現実だな」

カケル「分かってたことでしょ」全員「ん?」
カケル「全部わかってたことじゃないですか
双子「いいじゃん、自分はクリアできたんだから」
カケル「俺がどんなタイム出しても意味がないんだって、何度言えばわかるんだよ!」
カケルは闇雲に走り出した
ハイジ「カケル」
ハイジの言葉も聞かなかった

第7話感想

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記録会について

いや~体感ものすごく短く感じました。
記録会直前の様子から、レース模様、レース後の様子まで
細かく描きこまれていましたね。

1レースで10人全員とライバル校が走る構成に驚きましたが、
レースを”魅せる”ということではいい改変だったと思います。

カケルらトップを狙う選手から、箱根予選標準切りを狙うメンバー、
そして断トツに遅い王子とうまいこと描き分けていました。

タイムに関しては、原作より遅くなっていますが、
どうやら今回は”レースと言う壁”に跳ね返される形を取り、
本来の力を出せない形に。

走っている時の位置取り(真ん中付近が一番危険)での小競り合い
雰囲気に圧倒され、
周囲のペースに流されて走ってしまい、序盤からアップアップになる。
本気のレースでありがちなことをしっかりと描いていました。

このあたりの改変にはとても吸い込まれてしまいましたね。
“競技として走る難しさ”、
そして、”トップランナーの終盤のスピードの凄さ”と
魅力がとても伝わる内容になっていました。

今後もこういう感じのレースなら、いずれまた挑戦するだろう
その後のレースも楽しみになってきます。

六道大・藤岡一馬選手について

ユニフォームと名前からして、おそらく駒澤大から来ているのでしょう。
箱根駅伝上位常連校ですが、2006年原作発売の直前くらいが特に強く、
2000年大会で初優勝、2002年~2005年と4連覇しているのですよね。

そのエースですから本当に強いですね!
原作では、マナス選手に次いで2番目だったのですが、
3連覇中のチームにあって、箱根駅伝エース区間2区区間賞獲得者らしく、
最後は勝利していましたね!強く逞しく描かれていました。

そして、人間出来すぎじゃないですか!?
なんかもう全ての競技者を愛したうえで、自分も強いって、
後輩があれだけ慕ってるのも分かりますよね。

カケルに対してかけている言葉、そして接する態度も、
ほぼカケルを掌握した上で選んでいます。
「清瀬らを、箱根駅伝に導いてやれ」
カケルにどう響いたかな?

カケルの焦燥

「記録会でチームがどうなるか、お手並み拝見」と言いつつ、
カケル本人が一番ショックを受ける結果となりましたね。
大学陸上に、今の自分では全くかなわない相手がいることが分かり、
彼と箱根駅伝で勝負したい気持ち、
そして自分と所属しているチームの現状(ぬるさ?)を嘆く気持ちと…
ごっちゃごちゃになってしまっていますね。

誰よりも、このチームで”箱根駅伝出場は不可能”と分かっているのですが、
カケル本人が一番”箱根駅伝を走りたくて仕方ない”のですよね。

結局、今回も気持ちをうまく表現できず、、、声を荒げてしまいました。
(この感じ、大嫌いな高校時代の監督に似てきていますね。
本人は気づいてないでしょうが…)

次回予告にちらっと映っていましたが、
ハイジさんがキレている表情がありましたね。
何かよっぽどのことを言ってしまった…かな?

このあたりの人間ドラマが楽しみです。

箱根駅伝ファンによるガチ解説

根っからの箱根駅伝ファンなので、
どうしてもアニメでは描き切れないルール的なところや
実際の状況・実態を
Q&A方式で解説していけたらと思います。

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Q. 記録会って1レース?

A.本当は申請タイム順に30組前後に分かれてやります。

本当は実業団・大学生・高校生・市民ランナーなど、
1000人以上を超えるランナーが1日に走ります。
1組40人~50人ほどで、5000mは少なくても20組ほど、多い時は40組を超えます。

本当はエントリーするときに、申請タイムというものを提出し、
申請タイムが早い選手ほど、後の組にエントリーされることになっています。

アニメでは尺の関係で、1組で終えていますが、
これはこれで、日本トップランナーからそれぞれのランナーが一斉に走るのも面白かったかな?

Q.インカレとは?

A.春なので『関東インカレ』

藤岡が「インカレのため、今後の記録会は回避」と話していますね。

男子大学長距離というと箱根駅伝が有名ですが、駅伝以外で有名な大会ですね。

大学生の大会であるインターカレッジ(略して『インカレ』)の陸上の大会もあります。
主に5000mや10000m、ハーフマラソンなどに箱根駅伝を走るようなランナーも出場します。
なお、5月に『関東インカレ』、9月に『日本インカレ』があります。

Q. メンバーたちのタイムについては?

A. 多くが陸上歴1か月未満としては早い、なお原作よりも遅いです

原作とアニメでの4月記録会のタイムの違いを表にしてみました。

選手名 原作 アニメ
カケル 14分09秒95 14分20秒前後?
ハイジ 14分21秒51 14分台後半?
ムサ 14分台 17分台前半
ジョータ 15分台中盤 17分台前半
ジョージ 15分台中盤 17分台前半
ユキ 15分台中盤 18分台
神童 16分台前半 18分台
ニコチャン 16分台前半 19分台以降
キング 17分台前半 19分台以降
王子 22分台前後 30分以上

※原作:箱根予選参加基準17分以内
※アニメ:上位は劇場内での”残り1周13分01秒表記”から推測

原作が異常に早いのですよね。この時点で8名が箱根予選標準切り、
王子でも22分くらいではゴールしています
(まあ、実際このくらい4月から走らないと間に合わないこともあるのですが…)

アニメでは壁に跳ね返される場面を描くため、。
かなり遅くなっていて、ムサ・双子でも箱根予選の標準に届かないことになっています。
こちらの方が勿論現つて気に近いのかなぁ
(いやそれでもキングまでは陸上歴1か月未満で相当な記録なのですが…)

なお、王子30分以上、ユキ「強制終了されそうだった」と話してますが、
だいたい1組の時間が20分~25分程なので、
30分以上は現実は間違いなく強制終了されるタイムです。


さて、壁に跳ね返された面々、
さらに焦りと不安でメンタルが崩壊したカケル、

次回予告ではひとまず練習しているシーンは映っていますが、
モチベーションはどうやて保ったのか。
そして、カケルとハイジのぶつかり合い…

記録面の帳尻もそうですが、ここからの人間ドラマにも注目です。

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