風が強く吹いている(アニメ) 第4話【感想】※箱根駅伝ファンが解説

参照サイト:https://twitter.com/kazetsuyo_anime

原作:三浦しをん『風が強く吹いている』
2006年9月22日新潮社より刊行
2009年10月31日に実写映画化
されている、箱根駅伝を題材とした青春スポーツ作品

他、三浦しをんさんの作品
2006年3月『まほろ駅前多田便利軒』※直木賞受賞
2011年9月『舟を編む』※本屋大賞受賞、2016年アニメ化

原作は『小説』です。しかも実力がある方が描いた内容です。
普段アニメを見ない人でも安心して見れる作品です。

アニメ:風が強く吹いている

アニメ公式サイト:http://kazetsuyo-anime.com/
アニメ公式Twitter:https://twitter.com/kazetsuyo_anime

2018年10月2日深夜・日テレで放送開始!

【スタッフ】
監督:野村和也
シリーズ構成・脚本:喜安浩平
キャラクターデザイン:千葉崇洋
アニメーション制作:Production I.G
企画協力:新潮社

【キャスト】
蔵原走:大塚剛央
清瀬灰二:豊永利行 ほか

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今回は、アニメ第4話「消えない影」の感想・レビューとなります!

Contents

第4話あらすじ

ネタバレになりますので、灰色で囲います。

過去編
仙台城西時代、とある陸上大会のスタートラインで
カケルと榊が並んでいた。
カケルは腹の調子が悪かった。
榊は知りつつも「遠慮はしねぇぞ」と宣言していた。

だが、スタートするとカケルは独走 監督「いけるぞー!!」
結果5000m13分54秒、高校2年としてはすさまじい記録だった。

レース後。監督はほかの選手を「なんて様だ。気持ちで負けてるんだ」と言い放ち、
「見習え!蔵原を!」をと言い、カケル以外を10㎞走をさせる。
カケルは居心地が悪そうにしていた…

「久しぶり、蔵原」冒頭のシーンに戻る
「まさか続けてるとは思わなかった、陸上」「榊…」
「なあ誰だよ、一緒にいた連中」
蔑んだ目と口調で話しかける。
「関係ない」
「まあいいや、誰でも」
そして睨みつけて一層低い声を出す
「良かったな お友達が出来て」

蔵原は授業も出ずに、一人でいた
この大学に来たばかりのことを思い出していた

シュラフの横で財布の中を見る、所持金は1000円だった
パチンコで資金集めしようとするも失敗
コンビニ、万引きしようと手を伸ばす
心の中のカケルが叫ぶ「何してんだよ、そんなことしかできないのか」

王子「どうした?ぼーっとして」
カケルは王子と漫研の仲間たちとばったり出会った。
そのまま食堂で、漫画談義が始まった とても熱かった
王子「熱いだろ。人生の大切なものは全て漫画から学んでいるといっても過言ではない
友情、努力その他もろもろ豊かな時間差」「始めないか、僕らと 新しい大学生活を!」
走ってるときには見せない満面の笑みでカケルを勧誘する

その時、体育会系の軍団がやってくる
威圧感に王子たちは容赦なく追い出された。

その食堂にはユキとムサもいた
ムサは神童がやる気になっていること、
その帰り道、部費のことをハイジと相談していることをユキに告げる
ハイジ・双子・神童の4人が既にやる気に、
あと2人説得されたら、過半数を超えてしまう、
ユキとムサは頭を抱えていた。

カケルは外で王子たちと別れたところだった
そのときだ

「誰だよ、あいつら」「良かったな、お友達ができて」
榊の幻聴が聞こえてくる。

カケルは振り切ろうと必死に走り出す
しかし、それは増えてきた

監督「いけえええええ」榊「続けてるとは思わなかったよ、陸上」
店員「万引きです!!」榊「なあ誰だよあいつら

なんで、なんで何も言えなかった」

ジョータ「なんでそんなにびびってるの?」ジョージ「走ってよ、一緒に」

無理だ!

ハイジ「なあ、走るの好きか」

!?

ハイジ「は・し・る・の」

そんなこと、そんなこと聞くんじゃ…

大混乱していたカケルは、
曲がり角からハナちゃんが横切っているのに気付くのが一歩遅れた…

Bパート
公園で怪我した右足を水で冷やすハナちゃん
「ごめん」と謝るカケル
「大丈夫ですから」「そちらに怪我がなくて良かったです」
天使かと言いたくなるハナちゃんの優しさだ
「大事な選手ですから、言ってましてよ。神様がいるのかって」
「ただの10人じゃない、運命の10人だって」って灰二さん言ってたましたよ
「私は蔵原さんがすんごい脚が速いてことしか分からないけどね」
「…それだけで、走る以外は、何も…」
カケルはうつむいて言うことしかできなかった
「おーい」
ニラと散歩していたハイジが通りかかっていた

ハイジとカケル(とニラ)はそのまま帰ることに
カケルはハイジの後ろをトボトボとついていく
横目で見ていたハイジは声をかける
「勝負しようか、アオタケまで」
「なんで、こだわるんですか。
走りたいなら一人で走ればいいじゃないですか?
そういうことでしょ、走るって。悪いけど諦めてください」
「蔵原、どんなに一人で走っても本当は一人じゃないんだ
いつだって誰かと一緒に走っているんだよ」
「よくわかりません」
「そうか」
ハイジは天を見上げると、ニラと走り出す
「誰か…」
カケルは呟いて立ち止まったままだった。

次の日の朝練習
神童は専用のシューズを着用、やる気満々だ。
ニコチャンもなんだかんだ皆勤を続けている。

「よーし、揃ったな!」
ハイジが『もやし』と書かれた服を着た王子を連れて玄関から出てきた
「今日は、ハナちゃんが河川敷で待っている」
「え」一同驚く。一人スタートしようとしたカケルも走るわけにいかなかった
「今日のタイムはハナちゃんに取ってもらうから、全員何としても辿り着くように」
「そうでないとハナちゃんはずっと河川敷に居続けることになる」
「6時ジャストでスタートすると言ってある」
残り30秒だ。
気合が入る双子に、神童がバッシュじゃなくて、専用のシューズを進める。
ユキとムサはその姿を見せて焦る。王子たちも「無駄なことを」と呟く

それぞれ一つになってない中、スタートが切られる。
当然、カケルがぶっちぎる
「なんだよあのスピードは」「むかつく」
ハイジ「ペースに惑わされるなよ!」
王子についているハイジが後ろから声を大きくする
「王子、俺は今猛烈に感動している」「何に」
「たった、1週間でお前のペースが格段にあがっていることに
それだけの素質がある」
「やればわかる、やらなければ一生分からん」「!?」
「大事なことは全て漫画が教えてくれる…か?」
王子はびっくりしてハイジを見つめながら走りを続けていた

カケルはあっという間に走り切った 5㎞を14分53秒、ハナちゃんははしゃいでいた
その時だ
「なんだよ手抜きか蔵原、高校の時では考えられないタイムだ」
榊が今日もやってきていた。
「ああ、俺、東京体育大の1年榊こうすけ」
「タイムを取ってるんだ、邪魔しないでくれ」
「タイム?いや、全然こねーじゃん。ああ、そうか、そういうことか
さすがのお前もレベルの低い連中といると、自分のレベルまで下げてしまうんだな」
「…」
怒りがこみ上げるカケルだが何も言い返せない
「OBに連絡してやっとわかったよ。寛政大に進学したって。
あんのか陸上部。仲良くジョギング同好会か?」
「行けって!」
立て続けの煽りにようやく声をあげるカケル
「そうやって、”また殴る”のか」ハナちゃん「え?」
双子「しゃーーーーー!」
ぐっとタイミングで双子がゴールに飛び込み、ハナちゃんはタイムを取り始める

なんだかんだ8人がゴールする
神童は相変わらずシューズを進め、
ニコチャンはタイムを上げていることをユキに指摘されている
そして、「ねぇ誰あれ」榊のことも見られていた

「さあ、待っているぞ仲間たちが アオタケの精鋭たちが
王子という名の戦士の帰還を、今か今かと待ってるんだ」
ハイジが王子の好きそうな言葉を並べて、後押ししている
「お前はかつて辿り着いたことのない、未知の領域に辿り着いたんだ!!」
34分59秒28
「聞いたか王子、破ったんだよ35分の壁を!」
ゴールしながらぶっ倒れる王子に、ハイジが声をかける

「シルバーマラソンかよ 歩いたほうが早いだろ」
榊はそう言い放つと、再度カケルと対面する
「なんだよ」榊が睨むと、カケルは拳に力が入る
なんだよ知り合いか、どこの選手だ」
ハイジが割って入ってくる
「ああ、すいません。監督さん」「監督ではない、4年生、選手だ」
「失礼しました。知合いです、蔵原の。高校時代に随分お世話になったもんで」
「陸上部か?」「ええ、東体大の」「なら記録会で会うな」「記録会?」
「あるだろ、今月末、東体大の記録会が」「え、出る気なんですか?」
「勿論だ、記録がないと資格が得られないからな」

「ハイジさんストーーーップ!」「よせって!!」
ムサやユキが必死に止めに入るが…

「箱根駅伝の」ハイジは一切耳を貸さなかった。

「はぁ?」
「予選会に出るには公認記録が必要だろ。だから、記録会に出る
ここにいる全員で。あれが、寛政大陸上チームの10人だ」

「箱根?本気で言ってんの?」
メンバーを見渡した後、榊は蔵原に向き直る
「なぁ、舐めてんの、陸上を」
ハイジ「舐めてはいない」「お前に聞いてんだよ、蔵原!!」
榊が激高し始める。カケルは何も言えない
一同もさすがに不味いとざわざわし始めた

息を飲むハナちゃんに、
双子が背中を見せる。ジョータ「大丈夫」ジョージ「なんかあったら!」
その姿にハナちゃんは顔を赤らめていたが…

「なんとか言えよ、情けなくねーのかよ、こんなレベルで!!」
ユキ「こんなレベル?」
これには他のメンバーもカチンときたらしく睨みつける
「すがすがしいね、むしろ」はニコチャンの呟きだ。
カケルは言い返したいが、言葉が出ないようだ

「だから、嫌いなんだ」
意外にも声をあげたのは、ぶっ倒れ続けていた王子だった。
「すぐにレベルだ、勝ち負けだ。そういう次元でしか物を語れない
僕は走るのが本当に嫌いだ。だけど、人のやることにとやかく言う人は、
もっと嫌いだ!」
カケルは目を丸くして王子を眺めていた
「この人たちが仲間かどうかはよく分からない」ユキ「おい」
「けど、少なくとも僕を、僕の思考を、価値を、ちゃんと認めてくれているんだ
この人たちにレベルの高い低いは存在しない
あるのは、それぞれが誰なのかということだけだ!!」
それだけ言うと、王子は再び原っぱに突っ伏した。

ハイジ「王子…だそうだ」ユキ「あっさりしてるな、おい!」
ハイジはカケルの肩に手をかけた
「カケルは、もっと早くなる。君の知っている頃より、ずっとな」
そういうと、カケルをみんなのもとに連れて帰る。
榊は鼻を鳴らすと、一人走り出した。

「榊!」
その姿を見て、カケルが思わず声をかけた
「また、会おう」
びっくりして、榊はカケルを振り向き、
戸惑いのまなざしの中、もう一度走り出した。

ニコチャン「なんだ今の、宣戦布告か?」「え?」
キング「だって、覚えてやがれ、ってことだろ?」「違います!」
ユキ「無自覚に人を煽るタイプ」「え!」
ムサ「でもかっこよかったです!ハイジさんも、カケルも、王子さんも!」
神童「当面の目標ができたね」
ジョージ「っしゃーーー!出てやんよ記録会
ジョータ「見てろよ、此畜生、このレベルの俺たちを!」
それぞれ全員が取り込まれた!

ハイジ「王子の言う通り、お前はお前だ 俺もそうする
だから、絶対に走る お前と、俺たち全員で」
カケルはただ黙ってハイジの笑みを眺めていた

ハイジ「よーし、戻ろう!飯が待ってるぞ!」
ハイジの掛け声で全員が戻り始める
カケルにはほか9人とハナちゃんを合わせた10人の後ろ姿が輝いて見えた。
カケルもそのあとに続いた。急に追い風が強く吹いてきたから―――

神回でしたね、今回!

どうやってチーム全体のモチベーションを、早い段階であげていくのか非常に気になっていたのですが、榊という、カケルの良く悪くも過去の知り合いをうまく利用しましたね。

そして王子かっこよかった。
なんだかんだ走っている理由も、ハイジたちに「それぞれの個人を尊重」してもらっているからこそですね。

そしてそのハイジさんが強すぎる!見事なタイミングでカケルを守りました。

まだやる気を出しているのがハイジ、双子、神童ですが、
ひとまずの目標ができました。次回ついにトラック競技場で練習するみたいですし、楽しみです。
(神童がなぜやる気になってるのかはいずれ触れるのかな?)

それから気になるカケルの過去も少し触れていましたね。
“また殴る”…仙台城西高校陸上部時代、何らかの理由で
カケルが暴力事件を起こしてしまい、色々な遺恨がある模様…

榊も殴られたのかどうかわかりませんが、巻き込まれてしまったのは確か。
その上で、走るのが早かったカケルが羨ましかったのかなぁ、
と思う言動もちょくちょくありましたね…
いずれ過去も明かされるのでしょう。

にしても榊さんの声優河西健吾さんナイスですよね。
いい煽り方ですし、本気で声を荒げるところの演技もいいです。
個人的にハイジが「箱根駅伝の資格を得るために記録会に出る」の直後、

「はぁ?」

のところ本当に好きです。
悪役ですけど、憎めないキャラクターになっていきそうです。


さて、次回は、練習が本格的になる中、
キングにスポットが当たる形になっているのかもしれません。
ハイジがどうやってキングに働きかけるのかも注目です。

箱根駅伝ファンによるガチ解説

根っからの箱根駅伝ファンなので、
どうしてもアニメでは描き切れないルール的なところや
実際の状況・実態を
Q&A方式で解説していけたらと思います。

Q.高校2年生で5000m13分54秒ってどれくらい凄いの?

A.原作当時歴代2位!2018年10月現在、歴代5位が13分53秒61

以下が、高校生2年歴代タイムです
1位13分45秒86北村聡(西脇工業) 2002年
2位13分50秒51遠藤日向(学法石川) 2015年
3位13分50秒67吉田圭太(世羅) 2015年
4位13分52秒98羽生拓矢(八千代松陰) 2014年
5位13分53秒61田澤 廉(青森山田) 2017年

原作が出た2006年は1位の北村選手に続き歴代2位にあたるタイムなんですよね。周囲が羨むのも当然。カケルは嫌がっていましたが、監督が特別扱いするのも当然と言えば当然だった感じもします。カケルはそれほどの人材、天才ランナーだったわけです。

ここ数年ジュニアの選手層が厚くなってきましたが、それでも現在の歴代5位のタイムから僅か1秒弱の差。原作当時としては凄いタイムです。

当然、強豪チームからの勧誘も多数あったと思いますが、逃げるようにして陸上部がない(と思っていた)寛政大にやってきた。何があったのでしょうか?

Q. 東体大・東体大記録会とは?

A.東京体育大。間違いなく日本体育大がモチーフです

終盤、榊が「東体大」を明かすとハイジが「東体大記録会に出る」と話しています。

作中では東京体育大の略称、これは日本体育大(略称、日体大)がモチーフですかね。
記録会というのは、日本体育大記録会です。

日本体育大は箱根駅伝と深い関わり合いがあり、
1949年第25回大会で初出場すると、そこから一度も途切れることなく参加しており、
来年正月2019年の箱根駅伝にも71年連続71回目の出場が決まっています。
この連続出場数は歴代2位であり、現在継続中としては最多です。

また優勝回数も多く、歴代2位の5連覇を含む、10度の総合優勝を誇っています。
榊は名門大に進学することができているのですよね。彼もまた実力あるランナーです。

また、『日本体育大記録会』というのも、長距離の中では非常に有名な記録会です。
1966年から開催されていて、長距離のみのものを換算すると、2018年10月時点で
266回も行われています。今は年間5回ほどの模様です。
高校生・大学生・実業団・市民ランナーいろんなレベルのいろんな選手が参加しています。
多い時は朝8時から夜9時くらいまで、一日中開催することもあるくらいです。

大学生としては、ここで箱根駅伝予選会の標準切りを狙っている場合も多いです。
寛政大陸上部も近いうちに参戦するのでしょう。最初のタイムが気になりますね。

Q. 王子の5㎞35分というのは…

A.男性市民ランナーの平均は25分~28分ほどなのでやはりまだ遅いタイムです

その大会によってかなり平均タイムが異なるので何とも言いづらいのですが、
まだまだ市民ランナーの中だとしても、かなり遅い方で。

全く運動しない成人男性としては、王子も結構頑張っていると思います。
蝶々に抜かされていたのが、抜くようにもなっています。

これからひとまずは箱根駅伝予選標準の16分30秒を目指すのですが…
さて、どう成長していくでしょうか??

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